小児救急・集中治療について

Pediatric Emergency

  • 広島には、こども病院、小児救命救急センター、小児集中治療室(PICU)がありません。
  • 広島大学高度救命救急センター/集中治療室では、年間50-60名の重症小児患者を受入れ、診療しています。
  • 小児の一次/二次救急を一手に担う広島市立舟入市民病院と連携し、重症患者を病院間搬送することにより集約化して治療しています。
  • 内因性疾患では呼吸不全が最も多く、人工呼吸管理の他にECMOを用いた先進的治療を提供しています。また、小児の重症熱傷患者は全て受け入れています。小児科、皮膚科などと協力して、診療にあたっています。
  • 小児の重症患者管理を専門とする資格(小児救急医学会スペシャルインタレストメンバー、小児麻酔専門医など)を有する指導医が、診療指導に当たります。
  • また、大阪母子医療センター、北九州市立八幡病院など、小児専門施設における医師研修の連携を行い、若手医師の小児救急/集中治療研修を行っています。
広島市立舟入病院(小児救急医療拠点病院)との連携

内因性疾患の内訳(2009-2017)

内因性疾患の内訳 グラフ

外因性疾患の内訳(2009-2017)

外因性疾患の内訳 グラフ

広島市立舟入病院(小児救急医療拠点病院)との連携

広島市立舟入病院は、広島市内や広域広島地域から搬送される、1次・2次小児救急患者を24時間365日で受け入れる小児救急医療拠点病院です。年間3万8千人前後と大変多くの小児患者を受け入れています。その中には、集中治療が必要な重症呼吸不全、敗血症患者やショック状態の患者がいます。
人工呼吸や体外循環などが必要な重症病態の患児を迅速に転院・加療できるよう、当教室は舟入病院・当院小児科と連携し、連絡体制を確立しております。また、紹介いただいた患者の経過報告などの合同カンファレンスを行い、定期的にコミュニケーションを取り診療の質向上に努めています。
2018年は、舟入病院から4名の小児重症患者の紹介がありました。直接当院に救急搬送される外傷・心肺停止などの患者や病棟から転棟した患者も含めると、年間約50名の小児患者の入室があり、日頃から小児患者の診療を行うことによる質の担保を目指します。広島県はPICU (Pediatric Intensive Care Unit)・小児救命救急センターのない地域であるからこそ、重症小児患者にどう向き合うか、常に振り返り、進化していきます。